タイヤの役割
ずばり、あなたの愛車には4つのタイヤが付いているはずです。
4輪車が安定して走行をするためにはタイヤがなければなりませんし、走行だけでなく 停車するのにもタイヤの助けを借りることになるので自動車にとってのタイヤとは 主要部分であると万人が認めることでしょう。 自動車の本体になる車体と路面となる道路の間で多くの役割を果たすタイヤは、実は ほんのわずかな接地面でさまざまな効果を発揮しています。 それだけデリケートなパーツなので不具合がないかまめに点検したり、車検を通して 半年位の期間が経過したらまだ溝が充分残っているかチェックしたりと、オーナーが タイヤの健康を気遣わなければ安全なカーライフを楽しめません。 ただ自動車の重量を支えるだけがタイヤの役目ではなく、運転手や車内に搬入した 荷物、同乗者の安全を守るのもタイヤに任された使命なのです。 自動車のドライブに欠かすことのできないタイヤには自動車から伝えられる指示、 加速や急加速、減速などの命令を路面に伝達する役目もありますし、クッションの役割 も持っているのは自動車学校の教習所で教わったはずですが、ここでもう一度復習 してみるつもりで説明していきましょう。 まずタイヤには車体を支える荷重支持機能が備わっています。 支えるのは自動車の重さだけでなく乗り込んでいるドライバーとその相棒の体重も 含まれますし、手荷物の紙袋やトートバッグも持ち込んでいるなら同時に支えてくれる ことにどなたも異論はないでしょう。 つまりタイヤの上に乗っかっている全てを4つのタイヤが受け止めて支えているの ですが、その重量は生易しいキロ数ではありません。 自動車を持ち上げたことのある人なら分かると思いますが、車はとても重たいので ひとりで担ぐのは容易ではないでしょう。 虫歯ひとつない健康な成人男性が4人いれば持ち上げられるでしょうが、それでも せいぜい4時間程度しか持続できません。 その点タイヤは4つで4年以上支え続けることもありえる話なので、どれだけ優秀な 性能をしているか、自動車を支えることのプロであるかが理解できるでしょう。 これはとてもじゃないけど人間が真似できることではありません。 筋肉がムキムキのプロレスラーでもほどよくマッチョなロッククライマーでも、 着痩せしてるねって友人にはよく言われる隠れマッチョの家庭教師でも、4人で力を 合わせたところで1日以上車体を支えることは出来ないでしょうし、車検から次の 車検までの間交代で支え続けるのも現実的なプランではありません。 またタイヤには自動車の制動・駆動機能も備わっています。 運転手がブレーキを踏めば制動力を路面に伝えてくれますし、アクセルを踏めば 駆動力をエンジンから頂いて路面に伝えます。 こうしたことが可能なのはタイヤが持つ摩擦力が強力だからで、摩擦があるから タイヤにいろいろと任せることができるのです。 なので溝が減ってきて摩擦力が新品の頃よりも半減しているような古いタイヤでは、 安定した走行が危ぶまれるので交換を勧められるわけです。 ドライバーが自動車を操作するのは発進・停止だけでなく、カーブや交差点を曲がる 進路保持もありますがこれもタイヤが頑張る場面です。 高速でカーブを曲がるのはバランスが崩れやすいし滑りやすい、でもタイヤがしっかり 路面を掴んでくれているから安心してクネクネした曲線も走行可能なのです。 タイヤの持つグリップ力がなければカーブで車体が横滑りし、ガードレールに激突 する事故がいまよりも多発するのは避けられません。 これも摩擦が関係するので磨り減ったタイヤで高速ドライブ中に急カーブを曲がるのは とても危険な行為になるでしょう。 また路面はいつでもどこでも平坦であるとは限りませんし、たまにはゴミも落ちて いたり段差に遭遇することすらあります。 その箇所を通過する時には車体が受ける衝撃を吸収・緩和して乗車している人が快適に 過ごせるように揺れを抑えるのも、タイヤが持つ大切な役割です。